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オメガのスピードマスターオートマチック歴代モデルは、1980年代後半から2000年代にかけて展開され、現在では生産が終了しているものの、多くの時計ファンに根強い人気を誇ります。手巻きのムーンウォッチとは異なり、自動巻きならではの使いやすさと豊富なバリエーションが魅力です。
この記事では、Ref.3510-50をはじめとする主要な型番の違いや、それぞれの特徴、買取相場や値上がりの背景、さらには年式調べ方やクロノメーターの性能なども含めて詳しくご紹介します。オメガのスピードマスターオートマチック歴代モデルの購入を検討している方、またその魅力や今後の価値を知りたい方にとって、参考になる情報をまとめています。
記事のポイント
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歴代モデルの型番ごとの違いと特徴
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現在の流通状況と中古市場の実態
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年式の調べ方やクロノメーターの基礎知識
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値上がり傾向や今後の資産価値の見通し
オメガのスピードマスターオートマチック歴代モデルの魅力とは

エテルネウォッチ・イメージ
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Ref.3510-50とは
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初代からRef.323までの主要型番まとめ
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年式の調べ方と注意点
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クロノメーターの特徴
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生産終了の背景
Ref.3510-50とは

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スピードマスター オートマチックの中でも、特に人気が高いモデルのひとつが「Ref.3510-50」です。これは1988年から2006年までの長期間にわたって生産され、多くの人に親しまれてきました。
まず、このモデルの大きな特徴は、手巻きではなく自動巻きであるという点です。つまり、腕に着けているだけでゼンマイが自動で巻き上がるため、使い勝手が非常に良い時計といえます。毎回ゼンマイを巻く必要がないので、初心者でも扱いやすい点が評価されています。
また、ケースサイズは約39mmと控えめで、日本人の手首にもよくなじみます。手巻きの「ムーンウォッチ」よりも少し小さく、スーツにも合わせやすいサイズ感です。
デザインは「スピードマスター プロフェッショナル」に似ていますが、よく見るとインダイアル(小さな丸い表示)が横一列に並んでいるなど、細かな違いがあります。ムーブメントにはETAベースのCal.3220が使われており、信頼性とメンテナンスのしやすさも評価されています。
ただし、現在はすでに生産が終了しているため、新品での購入は難しく、中古市場で探す必要があります。状態の良いものは価格が上昇傾向にあるため、購入を考えている人は早めにチェックするのがおすすめです。
このように「Ref.3510-50」は、初めてのスピードマスターにもふさわしいモデルとして、多くのファンに支持され続けています。
初代からRef.323までの主要型番まとめ

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オメガのスピードマスター オートマチックは、1987年から約20年にわたってさまざまな型番で展開されてきました。それぞれの型番には特徴があり、時代ごとの技術やデザインの変化を知る手がかりになります。
最初に登場したのは「Ref.ST376.0822」です。このモデルはたった約2年の短期間で1500本ほどしか生産されなかったため、コレクターの間では「ホーリーグレイル(聖杯)」とも呼ばれています。見た目はプロフェッショナルモデルに似ており、ステンレススティールのケースとブレスレットが採用されていました。
その後、1988年に発売された「Ref.3510.50」が登場します。これはシリーズの中でも最も長く生産されたモデルで、先述の通り扱いやすさと価格のバランスが取れた人気機種でした。
さらに、1990年代以降には「Ref.3511」「Ref.3513」「Ref.321X」といったシリーズが登場し、デザインやバックルの仕様などが徐々に進化していきます。文字盤の色やケースの形もバリエーションが増え、好みに合わせて選べるようになっていきました。
そして2008年頃には「Ref.323X」シリーズが登場します。これは、ムーブメントにCal.3303を採用し、性能が大きく向上したモデルです。パワーリザーブは約48時間あり、風防もより頑丈になっている点が特徴です。インダイアルの配置もプロフェッショナルと同じ横3つ目になり、見た目のバランスが良くなっています。
このように、スピードマスター オートマチックは型番ごとに特徴があるため、どのモデルを選ぶかによって満足度は大きく変わります。自分の使い方や好みに合わせて、型番ごとの違いを比較してみると良いでしょう。
年式の調べ方と注意点

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スピードマスターの年式を知るには、主に「シリアルナンバー」を確認する方法が一般的です。シリアルナンバーとは、時計に刻まれた固有の番号で、これをもとに製造年を推定することができます。
まず確認すべきなのは、時計の裏蓋やムーブメント部分に刻まれている数字です。これをオメガのシリアルナンバー一覧と照らし合わせることで、だいたいの製造年がわかります。インターネットで「オメガ シリアルナンバー 年代表」などと検索すれば、多くの情報が出てきます。
ただし、年式の特定には注意点もあります。ひとつは、オーバーホールやパーツ交換によってシリアルナンバーと中のムーブメントが一致しないことがある点です。これが起きると、本来の年式とズレが出る場合があります。
また、中古市場では年式に関する情報が誤って記載されているケースも少なくありません。見た目が似ているモデル同士が混同されることもあるため、可能であれば正規の販売証明書や保証書が残っているものを選ぶと安心です。
このように、年式を調べる際には情報の正確性と信頼できる出所に注意しながら進めることが重要です。購入を検討している場合は、販売店に年式の確認方法を直接尋ねてみるのも良い手段です。
クロノメーターの特徴

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「スピードマスター オートマチック クロノメーター」とは、高精度な性能が認められた特別なモデルを指します。スイスの公式な検査機関であるCOSC(クロノメーター認定機関)によって、厳しい基準をクリアしたムーブメントだけが「クロノメーター」と呼ばれます。
このモデルの魅力は、見た目のデザインと内部の精度の両方が優れている点です。一般的なスピードマスター オートマチックでも十分な品質がありますが、クロノメーター認定を受けたモデルは日差(1日にズレる秒数)が非常に少なく、信頼性の高い時計として知られています。
例えば「Ref.323X」シリーズには、クロノメーター認定を受けたムーブメントが搭載されています。このムーブメントは、約48時間のパワーリザーブがあり、長時間安定して動作するのが特徴です。風防やケースの構造も頑丈で、実用性にも優れています。
ただし、精度が高い分、定期的なメンテナンスは必要になります。また、一般モデルに比べて価格もやや高めです。購入を考える際には、自分の使用スタイルに見合ったスペックかどうかを確認することが大切です。
このように、「スピードマスター オートマチック クロノメーター」は、高性能と実用性のバランスが取れたモデルとして、信頼性を重視する人に向いています。
生産終了の背景

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スピードマスター オートマチックは長い間親しまれてきたシリーズですが、2000年代後半に入ってから徐々に生産が終了しました。最終的には「Ref.323X」シリーズを最後に、新たな後継モデルは登場していません。
この背景には、オメガがブランド戦略を見直したことが関係しています。近年、オメガは高精度なムーブメントやハイスペックな素材を積極的に採用し、より高価格帯の製品へとシフトしています。スピードマスター オートマチックは、比較的手ごろな価格帯で人気を集めていたモデルだったため、この新しい方針とのバランスが取りづらくなっていたと考えられます。
また、スピードマスターといえば「ムーンウォッチ」として知られる手巻きモデルの人気が非常に高く、ブランドの象徴的存在となっている点も影響しています。そのため、自動巻きモデルは影に隠れる形になり、徐々にラインアップから姿を消していったといえるでしょう。
さらに、「Ref.323X」シリーズ以降は、新たな自動巻きモデルとしてクロノメーター認定やマスタークロノメーター基準を満たした上位シリーズが登場しています。これにより、旧来のスピードマスター オートマチックが持っていた位置付けや役割が、自然と終了に向かったとも読み取れます。
このように、スピードマスター オートマチックの生産終了は、モデルそのものの人気が落ちたからではなく、ブランドの方向性の変化や市場ニーズの移り変わりによるものでした。現在でも中古市場では高い評価を受けており、その価値はむしろ再評価されている傾向があります。
オメガのスピードマスターオートマチック歴代モデルを買う前に

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新品の流通状況
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値上がりの理由
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買取相場の実態
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型番別の選び方
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今後の価値予測
新品の流通状況

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現在、オメガ スピードマスター オートマチックの新品を正規店で購入することは非常に困難です。このモデルは2008年頃に生産が終了しており、正規販売店での取り扱いはほとんどありません。一部の並行輸入店や在庫を持つ販売店で新品が見つかることもありますが、数は限られています。
そのため、新品を探す場合は、信頼できる中古時計専門店やブランドリユース店で未使用品を探すのが現実的です。これらの店舗では、展示品や長期保管品として未使用の状態で販売されていることがあります。ただし、価格は年々上昇傾向にあり、状態の良い個体はプレミアム価格で取引されることが多くなっています。
また、オンラインのオークションサイトやフリマアプリでも未使用品が出品されることがありますが、真贋の確認やアフターサービスの有無など、購入前に慎重な確認が必要です。特に保証書や付属品の有無は、後々の価値やメンテナンスに影響するため、注意が必要です。
このように、スピードマスター オートマチックの新品を手に入れることは難しくなっていますが、未使用品や状態の良い中古品を探すことで、実質的に新品に近い時計を手に入れることは可能です。購入を検討する際は、信頼できる店舗や販売者からの購入をおすすめします。
値上がりの理由

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スピードマスター オートマチックの価格が上昇している背景には、いくつかの要因があります。まず、オメガ全体での価格改定が挙げられます。2022年から2024年にかけて、オメガは複数回にわたり価格改定を実施し、スピードマスターシリーズもその影響を受けています。具体的には、モデルによっては数十万円の値上げが行われており、これが中古市場の価格にも影響を与えています。
また、原材料の高騰や人件費の上昇、輸送コストの増加といった製造コストの上昇も価格に反映されています。特に、ロシアのウクライナ侵攻などの国際情勢の影響で、燃料費や原材料費が高騰し、時計業界全体で価格上昇の傾向が見られます。
さらに、スピードマスター オートマチックはすでに生産が終了しており、新品の供給がないため、中古市場での需要が高まっています。特に、状態の良い個体や付属品が揃っているものは希少性が高く、価格が上昇する傾向にあります。
加えて、ロレックスなど他の高級時計ブランドの価格上昇により、比較的手頃だったオメガに注目が集まり、需要が増加しています。これにより、スピードマスター オートマチックの価格も上昇していると考えられます。
このような複数の要因が重なり、スピードマスター オートマチックの価格は上昇傾向にあります。今後もこの傾向が続く可能性があるため、購入を検討している方は早めの行動をおすすめします。
買取相場の実態

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スピードマスター オートマチックの買取相場は、モデルの型番や状態によって大きく変わります。特に人気の高い型番や、生産数が少ないモデルは高額で取引される傾向があります。
例えば、「Ref.3510-50」は長年生産されていたこともあり流通量が多いですが、状態が良い個体や箱・保証書付きであれば、現在でも10万円〜20万円前後での買取が期待できます。一方で、1987年にごく少数しか生産されなかった「Ref.ST376.0822」のようなレアモデルになると、30万円〜50万円を超える査定がつくこともあります。
ただし、買取価格に影響するのは型番だけではありません。ガラスの傷、ブレスレットの伸び、オーバーホールの有無など、状態の違いが価格に直結します。また、付属品がすべて揃っているかどうかも重要です。箱や説明書、保証書があるかないかで数万円の差がつくこともあります。
買取を検討する際は、1店舗だけで決めずに、複数の業者に査定を依頼するのが良い方法です。また、時計専門の買取業者を選ぶことで、相場に見合った金額を提示されやすくなります。
このように、オメガ スピードマスター オートマチックの買取相場は一律ではなく、複数の要因によって大きく変動します。正確な価値を知るには、複数査定と丁寧な事前確認が大切です。
型番別の選び方

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スピードマスター オートマチックには多くの型番が存在し、それぞれに異なる特徴があります。購入を検討する際には、自分の用途や好みに合わせて型番を選ぶことがポイントです。
まず、定番モデルとして親しまれている「Ref.3510-50」は、シンプルで飽きのこないデザインが魅力です。ムーンウォッチに似たデザインながら、自動巻きで使いやすく、初めての1本として人気があります。ケース径が約39mmと控えめで、スーツにも合わせやすいのも特徴です。
次に、「Ref.3513」や「Ref.3210」シリーズは、文字盤の色や針のデザインにバリエーションがあり、スポーティーな雰囲気を求める方に向いています。また、デイト表示付きモデルも多く、日常使いに便利です。
さらに、より高性能なモデルを求める方には「Ref.323X」シリーズがおすすめです。この型番には、約48時間のパワーリザーブや堅牢な風防が搭載されており、機能面での充実度が高くなっています。インダイアルの配置も美しく、見た目にも高級感があります。
一方で、コレクター向けとしては生産数の少ない「Ref.ST376.0822」のような型番も注目されています。ただし、価格が高くなる傾向にあるため、購入には慎重さも必要です。
このように、スピードマスター オートマチックは型番によって用途や印象が大きく変わります。購入前には見た目だけでなく、機能やサイズ感、価格帯も含めて比較することをおすすめします。
今後の価値予測

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オメガ スピードマスターの価値は、今後も上昇傾向が続くと予想されます。その背景には、定価の値上げ、希少性の高まり、そして資産価値としての再評価があります。繰り返しています。2022年から2024年にかけて、複数回の価格改定が行われ、モデルによっては30万円以上の値上げが実施されました。このような定価の上昇は、中古市場の価格にも影響を与えています。
また、スピードマスターの中でも生産終了モデルや限定モデルは、希少性の高さから価格が上昇しています。特に、1960年代の初期モデルや、宇宙飛行士が実際に使用したとされるモデルは、コレクターの間で高い評価を受けています。
さらに、スピードマスターは単なる時計としてだけでなく、資産価値を持つアイテムとしての位置づけが強まっています。近年のコレクターズ市場では、特定のヴィンテージモデルや限定版が高額で取引されるケースが増えており、その価格は数年前と比較して数倍に跳ね上がることも珍しくありません。
このような背景から、スピードマスターの価値は今後も上昇する可能性が高いと考えられます。購入を検討している方は、早めの行動をおすすめします。
総括:オメガのスピードマスターオートマチック歴代モデル完全ガイド
記事のポイントをまとめます。
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Ref.3510-50は1988年から2006年まで生産されたロングセラーモデル
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自動巻きで扱いやすく、初心者にも人気がある
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ケース径は約39mmで日本人の腕にもフィットしやすい
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デザインはムーンウォッチに近いが、インダイアル配置が異なる
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初代モデルは「Ref.ST376.0822」で生産本数が少なく希少性が高い
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1990年代以降はRef.3511や321Xなど複数の型番が登場した
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2008年頃のRef.323Xは高性能ムーブメントを搭載していた
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年式はシリアルナンバーで特定できるが一致しないケースもある
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クロノメーター認定モデルは精度が高く、信頼性がある
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Ref.323Xシリーズはパワーリザーブや風防の強化がなされている
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生産終了の背景にはオメガの高級路線へのシフトがある
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新品流通はほぼ終了し、未使用品を中古市場で探す形となる
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中古価格は需要増と希少性から上昇傾向にある
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人気型番は買取相場が高く、保証書付きはさらに有利
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型番ごとにサイズ・デザイン・機能が異なり選択肢が豊富