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ブルガリのディアゴノが廃盤になったと聞き、その色褪せない魅力や現在の価値について詳しく知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。90年代に一世を風靡したこのシリーズには、人気の高かったディアゴノ クロノグラフや本格的なダイバーズ仕様のディアゴノ スクーバ、そして上位機種であるディアゴノ プロフェッショナル、さらには革新的な素材を使用したディアゴノ マグネシウムまで、多様なモデルが存在しました。
一方で、インターネット上などでブルガリの時計は恥ずかしいといった意見を目にすることもあり、実際の評価が気になっているかもしれません。また、生産終了したいま、かつてのディアゴノの定価に対して、ブルガリの時計、特に中古ディアゴノの価格がどのように変動しているのかは、購入を検討する上で非常に重要なポイントです。
この記事では、ディアゴノシリーズが持つ本来の価値から、廃盤になった現在の市場価格、そして賢い選び方まで、あなたのあらゆる疑問に答えていきます。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- ディアゴノシリーズの歴史と各モデルの具体的な特徴
- 「ブルガリの時計は恥ずかしい」という評判の真相
- 廃盤になる前の定価と現在のリアルな価格相場
- 中古モデルを購入する際の注意点と今後の資産価値
ブルガリのディアゴノ廃盤モデルが再評価される理由

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ここでは、ディアゴノシリーズがなぜ今なお多くの時計ファンを惹きつけるのか、その歴史的背景と各モデルが持つ独自の魅力について掘り下げていきます。
- 90年代を象徴した歴史
- スポーツモデルの代表格クロノグラフ
- 200m防水を誇るスクーバ
- 上位機種にあたるプロフェッショナル
- 革新的な素材を用いたマグネシウム
- 「ブルガリの時計は恥ずかしい」は誤解?
90年代を象徴した歴史

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ブルガリのディアゴノは、1995年に登場し、ブランドの腕時計ラインにおける男性ユーザー層の拡大に大きく貢献した、まさに90年代を代表するコレクションです。この「ディアゴノ」という名前は、ベゼルの傾きを意味する「diagonal」と、古代ギリシャ語で競技を意味する「Agonos」を組み合わせた造語であり、その名の通りスポーティーなコンセプトを明確に打ち出しています。
ブルガリが本格的に腕時計産業へ参入したのは70年代のことでした。77年に発表された「ブルガリ・ブルガリ」は、ベゼルにブランドロゴを2つ刻むという斬新なデザインで一躍ブランドの象徴となります。ディアゴノは、この象徴的なデザインDNAを受け継ぎつつ、より活動的なシーンに対応するスポーツウォッチとして開発されたのです。
それまでのブルガリウォッチがどちらかといえば宝飾品としての側面が強かったのに対し、ディアゴノは男性が日常的に使えるタフさと洗練されたイタリアンデザインを両立させました。この戦略が功を奏し、ディアゴノシリーズは時計ブランドとしてのブルガリの地位を確固たるものにする原動力となったのです。
スポーツモデルの代表格クロノグラフ

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ディアゴノシリーズの人気を初期から牽引したのが、「ディアゴノ スポーツ クロノグラフ」です。このモデルが特筆すべき点は、クロノグラフという複雑機構を搭載しながら、ケース径を35mmという非常にコンパクトなサイズに収めていることでしょう。当時のスポーツウォッチとしては小振りであり、このサイズ感が無骨さを和らげ、幅広い層に受け入れられる要因となりました。
Ref.CH35BKSDの仕様と特徴
代表的な型番であるRef.CH35BKSDは、ステンレススチールケースに100mの防水性能を備え、実用性も十分に確保されていました。搭載されたムーブメントは、信頼性の高い汎用キャリバーであるETA2894をベースにしており、安定した精度とメンテナンスのしやすさも魅力の一つです。
文字盤には30分積算計、12時間積算計、そしてスモールセコンドがバランス良く配置され、視認性も考慮されています。スポーツウォッチでありながら、どこかエレガントな雰囲気を漂わせるデザインは、スーツスタイルからカジュアルな服装まで、シーンを選ばずに着用できる汎用性の高さを持っていました。この絶妙なバランス感覚こそ、ディアゴノ クロノグラフが多くの人々を魅了した理由と考えられます。
200m防水を誇るスクーバ

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ディアゴノシリーズの中でも、より本格的なスポーツ性能を追求したモデルが「ディアゴノ スクーバ」です。その名の通りダイバーズウォッチとして設計されており、全モデルで200mという高い防水性能を実現していました。これにより、日常使いはもちろんのこと、マリンスポーツなどのアクティブな場面でも安心して使用することが可能です。
ケースサイズは38mmと、前述のクロノグラフよりも一回り大きく、ダイバーズウォッチらしい存在感があります。逆回転防止ベゼルや視認性の高いインデックスなど、潜水時に求められる機能もしっかりと備わっていました。ラインナップには、シンプルな3針モデルのほかに、クロノグラフ機能やGMT機能を搭載したモデルも存在し、ユーザーの用途に応じた選択肢が提供されていた点も特徴です。
ヴィンテージ市場での人気
特に、生産初期のディアゴノ スクーバは、インデックスの夜光塗料に「トリチウム」が使用されていました。トリチウムは経年により美しいクリーム色に焼ける特性があり、この均一で味のあるエイジング(経年変化)が見られる個体は、ヴィンテージ市場において高い人気を誇ります。新品にはない、時を重ねたものだけが持つ独特の風合いが、多くの時計愛好家の心を掴んでいるのです。
上位機種にあたるプロフェッショナル

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ディアゴノシリーズが市場で確固たる地位を築く中、ブルガリは2002年にさらなる高みを目指し、「ディアゴノ プロフェッショナル」を投入します。これは、既存のコレクションよりも専門的な機能を強化した、まさにプロユースを意識した上位ラインです。このシリーズの登場により、ブルガリは時計ブランドとしての技術力と専門性をより強くアピールすることに成功しました。
プロフェッショナルラインには、防水性能を300mにまで高めた「スクーバ」や、より複雑な機構を持つクロノグラフモデルなどが含まれており、デザイン面だけでなくスペック面でも本格的な高級スポーツウォッチとして進化を遂げたのです。
このメンズラインの積極的な拡充は、当時右肩上がりに成長していた高級時計市場の需要とも合致しました。ディアゴノ プロフェッショナルの登場は、ブルガリが単なるジュエラーではなく、本格的なマニュファクチュール(自社一貫製造ブランド)へと歩みを進めていることを示す、重要な一歩だったと言えるでしょう。
革新的な素材を用いたマグネシウム

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ディアゴノの歴史を語る上で欠かせないのが、アルミニウムやマグネシウムといった、当時としては斬新な素材を積極的に採用した点です。特に1998年に登場した「ディアゴノ アルミニウム」は、時計業界に大きな衝撃を与えました。ケースに軽量なアルミニウムを使用し、ベゼルやリューズにはラバーを組み合わせるという異素材のコンビネーションは、極めて革新的でした。
この高いファッション性は、当時のブランドブームとも相まって、特に流行に敏感な女性層から絶大な支持を集めます。時計愛好家からの評価は賛否が分かれたものの、ブルガリウォッチの知名度を一般層にまで一気に広げた立役者であることは間違いありません。
そして、その流れを汲み、さらに進化させたのが「ディアゴノ マグネシウム」です。マグネシウムはアルミニウムよりもさらに軽量かつ高強度な金属であり、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)というハイテクポリマーと組み合わせることで、未来的なルックスと驚くほどの装着感を実現しました。これらのモデルは、伝統的な時計作りの枠にとらわれないブルガリの先進性とチャレンジ精神を象徴しています。
「ブルガリの時計は恥ずかしい」は誤解?

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時折、「ブルガリの時計は恥ずかしい」といった意見が聞かれることがあります。しかし、これはいくつかの側面的なイメージから生まれた誤解である可能性が高いと考えられます。
主な理由として、ブルガリが世界的に有名な「ジュエラー」であることが挙げられます。宝飾ブランドというイメージが先行するため、一部の機械式時計原理主義的な愛好家から、時計専門ブランドよりも一段低く見られてしまう風潮が過去にはありました。また、前述の「ディアゴノ アルミニウム」がファッションアイテムとして大ヒットしたことで、「流行り物」という印象がついてしまったことも一因かもしれません。
しかし、これはブランドの歴史や実力を正しく評価していない見方です。ブルガリは、時計製造の聖地であるスイスに複数の工房を持ち、ムーブメントや部品の多くを自社で開発・製造できるマニュファクチュール体制を確立しています。その技術力は世界的に見ても非常に高く、大胆で洗練されたイタリアンデザインとスイスの時計製造技術が見事に融合しているのがブルガリウォッチの真価です。したがって、「恥ずかしい」という評価は、ブランドの一面しか見ていない偏った意見であり、完全な誤解であると言えるでしょう。
ブルガリのディアゴノ廃盤後の価格と現在の価値

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ここでは、ディアゴノシリーズが生産されていた当時の定価と、生産終了となった現在の市場価格がどのように推移しているのかを具体的に見ていきます。廃盤モデルの購入を検討する上で、最も気になる価格情報を詳しく解説します。
- 発売当時の定価は?
- 現在の価格相場を調査
- 中古ディアゴノを探すポイント
-
総括:ブルガリのディアゴノ廃盤モデルの価値は?価格と魅力を徹底解説
発売当時の定価は?

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ディアゴノシリーズが発売されていた2000年代初頭、その定価はモデルの素材や機能によって幅広く設定されていました。一方で、当時の並行輸入市場では、定価よりもかなり手に入れやすい価格で販売されており、この「値ごろ感」も人気を後押しした要因の一つです。
以下に、代表的なモデルの当時の定価と、並行輸入市場での実勢価格の目安をまとめました
モデル名 | 当時の国内定価(2002年頃) | 当時の並行実勢価格(目安) |
---|---|---|
ディアゴノ スポーツ クロノグラフ | 672,000円 | 30万円台後半 |
ディアゴノ スクーバ (ブレス) | 493,500円 | 20万円台後半 |
ディアゴノ アルミニウム (自動巻き) | 241,500円 | 10万円台半ば〜後半 |
このように見ると、特にアルミニウムモデルは定価でも比較的手頃であり、実勢価格では驚くほど購入しやすかったことが分かります。一方で、スポーツクロノグラフは汎用ムーブメントを搭載しながらも、60万円を超える価格設定となっており、ブルガリというブランドの価値が価格に反映されていたことがうかがえます。これらの価格設定が、幅広い層のユーザーにアプローチすることを可能にしました。
現在の価格相場を調査

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生産が終了した現在、ブルガリ ディアゴノの価格は中古市場において形成されています。その価格は、モデルの人気度、希少性、そして個体のコンディションによって大きく変動しますが、全体的には非常に魅力的な価格帯で推移していると言えます。
例えば、ディアゴノシリーズの後期に登場した高性能クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」を搭載した「ディアゴノ ヴェロチッシモ」は、定価が110万円を超えるモデルでありながら、中古市場では状態の良いものでも50万円前後から見つけることが可能です。これは定価の半額以下であり、極めてコストパフォーマンスが高い選択肢です。
また、「ディアゴノ マグネシウム」も、定価が50万円から60万円台であったのに対し、現在は30万円前後から探すことができます。90年代のクラシックなモデルであれば、さらに手頃な10万円台から20万円台で見つかることも少なくありません。このように、廃盤となったことで、かつて憧れだったモデルが現実的な価格で手に入るチャンスが生まれているのです。
中古ディアゴノを探すポイント

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ブルガリの時計、特に廃盤となった中古のディアゴノを賢く購入するためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。価格の安さだけで選んでしまうと後悔に繋がりかねないため、以下の点に注意することが大切です。
①モデルの状態を細かくチェック
まず基本となるのが、時計本体の状態確認です。ケースやブレスレットの傷の深さや多さ、ガラスの欠け、文字盤や針の劣化具合などを細かくチェックしましょう。特に、時計の縁(エッジ)が摩耗して丸くなっていないかは、過去の研磨(ポリッシュ)の有無を見極める上で重要な指標となります。過度な研磨は時計本来のフォルムを損なうため、できるだけオリジナルの形状を保っている個体を選ぶのが理想です。
②付属品の有無を確認する
次に、保証書(ギャランティ)やオリジナルのボックスといった付属品が揃っているかどうかも価値を左右する要素です。特に保証書は、その時計が正規のルートで販売されたことを証明するものであり、将来的に売却する際にも査定額に影響します。付属品が完備されている個体は、そうでないものに比べて数万円から十数万円高く取引されることもあります。
③モデルごとの特徴を理解する
前述の通り、「ディアゴノ スクーバ」の初期モデルに見られるトリチウム夜光の焼けのように、特定のモデルにしかない特徴がヴィンテージとしての価値を高める場合があります。こうしたモデルごとの特性を事前に調べておくことで、ただ古いだけではない、価値ある一本を見つけ出すことができます。購入を検討しているモデルについて深く知ることが、満足のいく買い物への近道となります。
総括:ブルガリのディアゴノ廃盤モデルの価値は?価格と魅力を徹底解説
記事のポイントをまとめます。
- ディアゴノは90年代に登場し一世を風靡したブルガリのスポーツウォッチ
- 名前は「競技」を意味するギリシャ語などに由来する
- ブランドの象徴「ブルガリ・ブルガリ」のデザインを受け継いでいる
- 男性ユーザーをターゲットに開発されブランドの客層を広げた
- 代表モデルのディアゴノスポーツクロノグラフは35mmと小振りだった
- ダイバーズ仕様のディアゴノスクーバは200m防水を誇る
- スクーバ初期のトリチウム夜光は経年変化で人気が高い
- 2002年には上位機種のディアゴノプロフェッショナルが登場
- アルミニウムやマグネシウムなど当時革新的な素材を積極的に採用した
- 「ブルガリの時計は恥ずかしい」という評判はブランドの歴史を知れば誤解だと分かる
- ブルガリはスイスに工房を持つ本格的なマニュファクチュールである
- 廃盤になった現在では中古市場で魅力的な価格で流通している
- 高性能モデルが当時の定価の半額以下で手に入ることも珍しくない
- 中古で購入する際は時計の状態や付属品の有無が重要になる
- 廃盤モデルだからこそ、その歴史と個性を理解して選ぶ楽しみがある